ものはらこう

このせかいのいろんなものはら

五島うどん、地獄炊き

学生寮に住んでいたころ、五島の有川出身の寮長に教えてもらった食べ方。 材料 五島うどん。 (寮で食べさせてもらったのは、五島うどんの端っこの切れ端をまとめて安く売っている袋に入ったもの。五島うどんは手延べの乾麺なので) 鰹節 小口ネギ たまご 醤…

「物原」考

「物原」という言葉がある。 「物」の「原」だから、物原。 今、周りを見渡してみると、モノなんていくらでも目に入る。 PCというモノ、湯飲みというモノ。 テーブルも、椅子も、壁も…… 私たちはモノに囲まれて生きている。 家の外に出たって、モノだらけ。 …

トンネル横丁の話(「忘れられた復興の風景」ライフさせぼ)

1945年の終戦から1950年の朝鮮動乱が起こるまでの間、この時期はいわば焼け跡から現在の佐世保の市街を形成していく過程だといえる。1948年(昭和23年)から1949年(昭和24年)の新聞を見てみると、毎日のように都市計画が進められ、佐世保港の利用について…

鵜渡越と親鸞聖人  (ライフさせぼ 2015年1月を書き換え)

佐世保は鎮守府が置かれたことで急激な発展を遂げた街だ。 鎮守府がおかれその街が発展し、人が集まるようになると、観光もまた重要視されるようになる。「鵜渡越」という地区がある。 現在、この地区に観光として訪れる人はそう多くはない。 しかしながらそ…

1950年の国勢調査(『ライフさせぼ』2014年10月)

10月1日は、5年に一度実施される国勢調査の調査日だ(今年は該当の年ではない)。 国勢調査は世界中の国で実施されている。 日本は明治時代より実施しようという動きがあり、明治35年「国勢調査に関する法律」が公布され、その後日露戦争などで実施は先送り…

東京学生寮という戦後史(『ライフさせぼ』2015年2月)

学生寮という制度がある。代表的なものとして大学生向けの寮があり、大学毎に運営される寮もあれば、県人寮と呼ばれる県の育英会が主として運営する寮もある。そして、市の育英会が運営する寮もある。財団法人佐世保市育英会は2011年まで、佐世保市東京学生…

サマータイムとダンスホール(ライフさせぼ2014年6月号)

サマータイムとダンスホール 6月になりだいぶ日が長くなってきた。ひと足早くビアガーデンをやっている人を街で見かける。季節の移り変わりと生活サイクルを連動?させる時間の使い方として、「サマータイム」という標準時を一時間進める制度がある。 現代の…

花見の名所から見る佐世保の戦後(ライフさせぼ2014年4月号)(ライフさせぼ2013年4月号)

佐世保の桜の話。 連載2回分をまとめました。 おおよそ一週間一気に咲いて散ってゆく桜、ソメイヨシノという桜が日本の春のイメージと結びつくようになったのは、そう昔のことではないらしい。詳しくは社会学者の佐藤俊樹氏が、『桜が創った「日本」』という…

「流し」のタクシーの成立と街の発展(ライフさせぼ2013年2月号)

街で買い物をしていて急に雨が降り出した時、通りを流して走っているタクシーに向かって手を挙げることがある。「流し」のタクシーをつかまえるという行為。 しかし、地方のタクシーなどは、通りを「流す」のではなく、事務所の車庫で待機し、客からの電話を…

輪タクの風景から読み解く戦後史(ライフさせぼ2013年1月号掲載)

佐世保の歴史について誰かに伝えたいという時、どういう伝え方がありうるだろうか。様々な施設の誕生や条例の施行などの制度の発展から説明したり、ある重要人物に着目して説明したりするかもしれない。でもここでは、街に生きていた誰かが経験した歴史を伝…